『時をかけつづける少女』はお休みです。
この記事はMac OS X上のInkscape(英語表示)であることを前提にして書かれています。
――
Inkscapeのカリグラフィーツールがいい感じになってきました。
アニメっぽい絵を描くときは、これまで私はComicStudioで描いてきました。ComicStudio上でペンタブで線を描いてビットマップで書き出してから、Inkscapeに取り込んでトレースしてからバケツツールで色づけするのが私のワークフローだったんです。しかし、Inkscapeのカリグラフィーツールが
補正機能(smoothing)を備えて、実用的になってきたので、前載せたトキカケの絵である『blight』はInkscape上でカリグラフィーツールを使って、ペンタブで線を描く時点からInkscapeを使いました。
コツを記しておきたいと思います。まず、なんと言っても漫画風の絵を描くときは補正機能は使いたいものです。でないとガタガタの線になります。いつのバージョンからはわかりませんが、たぶん0.46になったくらいから補正機能を装備しているはずです。Inkscapeの場合はバージョン0.45の時点ではあまり使いやすくないので、
恐れずに開発版を使った方が結局はいいと思います。(といっても私が開発版が安全であると保証するわけではありません。利用は自己責任で。)
【後日注:私がこの記事を書いた時点で既にInkscapeは安定版として0.46をリリースしていたようです。】カリグラフィーツールで補正機能を使うにはツールコントロールバーで
[Pen Mass]を[0.02 : (slight smoothing, default)]にしてください。私のiBookでは画面が狭いのでこの項目は押下三角形(って言うのかな?)の中に入っています。設定項目名のとおり、たぶんデフォルトでこの設定はされているので問題ないと思います。
また、他のオプションも設定しましょう。ただ、私も全部のオプションの意味を知っているわけではありません。私は一応
[Fixation]と[Tremor]、[Wiggle]は全部[0.00]に設定しています。これらをいじると線が暴れたりします。[Width]はもちろん線の太さを設定する項目です。[Thinning]をマイナスの値に設定すると、線を素早く描いたときに素早く描いた部分が太くなります。
MacのInkscapeは筆圧に反応しないので、これを使って擬似的に線の太さを変化させています。筆圧に反応しないのはInkscapeがX11を使っているからかもしれず、最近出てきたネイティブのビルドでは違うのかもしれませんが。[Caps]では線の始点と終点に「入り」と「抜き」の長さを設定するものです。これを使うと線の先端がとがり、ぶつ切りにならず自然な感じがしますが、
あまり長く設定すると、線を描いたとき線が長くなってしまうので注意が必要です。この問題は将来のInkscapeで解決されるかもしれません。
重要なのは、線の太さを揃えることです。何も設定しないと、カリグラフィーツールの線の太さは描画画面の大きさに相対的に定められます。たとえば
キャンバスを縮小ズームして描いた線は、拡大したときに描いた線より太くなります。これは描画画面に対して同じ太さに線の太さが設定されるからで、このままだと線を描くときに必ず同じズーム倍率で描かないと線の太さが変わってしまうことを示します。バージョン0.46.3では[File]→[Inkscape Preferences]から開ける環境設定の、[Tools]→[Calligraphy]項目の中の、[Width is absolute units]チェックボックスをチェックすることで、カリグラフィーツールの線の太さを単位に対して絶対的に設定することが出来ます。つまり
拡大したり縮小したりしてカリグラフィーツールで線を描いても、同じ太さにすることが出来るわけです。
――このブログのInkscapeに関する古い記事に『
Faking Livetrace』という記事があり、結構これがアクセス件数が多いようなのですが、既にこの記事はLegacy(古い)な記事になっています。いまのInkscapeは優秀なバケツツールを装備しているので、そちらを使った方がいいかと思います。『Faking Livetrace』はあくまでも参考程度に考えてください。
■(2008.4.14)
おまけ:
YUIの『Laugh away』の絵を描いてみました。

Inkscapeがあると、こんな絵も描けるよ、と言う話。
posted by whitecaps at 11:56|
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