イヤフォンを耳に寝ころぶ
薄暗い電灯のもと、自分の息が聞こえる
耳元がゆっくりと爪弾く
目をゆっくり閉じたり、開いたり
意識がユラユラしてくる
腕時計のアラームが鳴る
あと、ちょっとだ
あとちょっとで始まる……
空の彼方でシリウスが輝いた――
僕の中だけのカラクリ戦争
ずっと先の見えないハイウェイ
臓の底を打つ鼓動
あきらめないでと自分に呼び掛ける
そんな自分さえ不甲斐なくて
君は今頃何してるかなぁ
ほんとは君に会いたいのに……。
伸ばした手は虚空に消える
――どっかで犬が吠える
そうさ、僕にだって意地はあるんだ
やつらの好きにはさせない
それをわからせてやろうじゃないか
ヤドカリみたいなサバイバルだ
心の住み処を取られるな!
君もどっかで戦ってる
大切な人達を守りたいから
明日の笑顔を失いたくない
時計の針が震えた
僕は電灯を消す
顔を突っ込むと、ふとんの中は暖かい。
時間は走り続けて、
もうすぐ、夜が明ける――
■(2009.1.1)