2011年01月07日

詩『Oxygen』

肺胞に染み渡る酸素
風に乗って届いた透明な空気の匂い
あの空を変わらずに照らす太陽の光
ここに残された時の忘れ形見
曇天の草原を吹き渡る風
遠くから忍び寄る夕闇の空
いつまでも子供のままではいられない

古い記憶の中に刻み込まれた
焼きリンゴのとろけるような甘み

花の彩に心休める
葦に宿る朝露は
誰かの零した涙の欠片
北の空に架かるオーロラは
遠い瞳に映る幻惑の色
白い息が凍てつく寒さ
霧中の湖に浮かぶ花束
古都の石畳に散らす紅葉
窓の外に音もなく降り積もる雪

これら瞳を焼く官能的刺激
これら快楽のPainter

あのむこうの高みに登っていく箱舟
人っ子一人いないビルの静寂
仮想現実の中の美しき大地
暗闇の中で手をかざす魔術師
乾いた心を潤していく光の粒

これら鼓膜を打つ官能的刺激
これら快楽のSynthesizer

ほんとは誰だってそうなんだろう
事件は会議室で起きてるんじゃない、
画面の中で起こっているんだ!−−

いつか心の中に思い描いた
漆黒に浮かび上がる青嵐

ただひたすら瞳の奥に潤いを求めてた
その後釜はどれが埋めるのか

論理が生み出す形無き神秘
ガラス玉の中で屈折した想い
新世代に残された反抗の凱歌
卑しさなど生活にはつきものだと
わざとらしいrebootは躓くばかりで
ほんとは誰もが何かに依存していて
暴露癖は未だぬぐいきれぬ性《さが》
自由という名の幻想が生み出す力
愛という名の電気信号
それは未だ絶えることのない鼓動

To near you, to be free.

現実歪曲空間をくぐって
いつしか嘘は真実になる−−?

■(2010.12.14)


posted by whitecaps at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 文芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする