で、そんなことはどうでもいいのですが、私は特に本屋でも店の前面に目立つように飾られている本を読むことはないですし、図書館でも風の便りにベストセラーとかのうわさを聞いてもあまり読もうとは思いません。――一応ハリー・ポッターだけは読んだことあるのですが。
何で読まないのかって言うと、手に取って読んでみても面白そうに思えないからです。ベストセラーだからといっても実際他と比べて群を抜いて面白いと言うことはあまりないし、何となく自分とは趣味が合わないな、と思ったりすることもあります。
そして私は人気があるからとか言うことをあまり指標にしない方です。それは人気度というのは暴走する場合があると考えるからです。
例えばラーメン屋を思い浮かべてください、実際はちょっとしか違わないレベルの味なのに、その少しの差から集客に差が出る。そして店に人が並んでいるのを見て、こっちの方が人気があるんだと思ったヤジウマ根性的客がさらに並び、どんどん行列が長くなっていく。実際はちょっとしかうまくないのに、そのわずかな違いのために真夏の炎天下のもと(?)客たちは多大な時間と焦燥を消費して、ようやくごった返した店内でラーメンにありつく、と言うことになるわけです。私はそんなことするくらいなら、ちょっとしかまずくないラーメン屋ですばやく料理が出てきて、落ち着いてラーメンを食べた方がいいのではないか、と思ってしまいます。
これってバブルみたいなものですよね。ウサギバブルとか、あるいは寒天ブームであるとか、そういうもんじゃないでしょうか。実際のそのものの価値を無視して飛びついて値段をつり上げる、その余波で困ったことになる人もいるはずです。だから人気度という指標は実質を無視してふくらんでいきがちなのではないのかと私は思います。
まあ、でも私も人気という指標が重要なものであるということは理解しています。非常にシビアで厳正な面も持つとも思います。人気があってはじめてなりたつものもいろいろとあるでしょう。でも、私はハリー・ポッターは好きですし面白い小説だと思っていますが、それが他のものより抜きん出ているとは思わない、ただそれだけの疑問です。
■(2009.4.19)